《論文》オンデマンド動画を用いた笑いヨガの実践による心理的効果と性格特性 大学生を対象としたランダム化比較試験

「無条件の笑い」にヨガの呼吸法や体操を組み合わせた笑いヨガは,心身への望ましい効果をもたらすことが示唆されている。新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降,オンラインを含め,多様な形態で笑いヨガが実践されている。本研究では,日常的に笑いヨガを実践していない大学生を対象に,事前に収録されたオンデマンド動画を用いた笑いヨガの実践による心理的効果,および性格特性との関連を検討した。45名の参加者が,動画視聴により笑いヨガの実践セッションに参加する笑いヨガ群と,図書館で過ごすレスト群にランダムに割り付けられた。その結果,笑いヨガ群では実践前後でポジティヴ気分が有意に増大したのに対し,レスト群ではポジティ...

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Published in笑い学研究 Vol. 31; pp. 39 - 51
Main Authors 宮田 裕光, 高田 佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本笑い学会 2024
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ISSN2189-4132
2423-9054
DOI10.18991/warai.31.0_39

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Summary:「無条件の笑い」にヨガの呼吸法や体操を組み合わせた笑いヨガは,心身への望ましい効果をもたらすことが示唆されている。新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降,オンラインを含め,多様な形態で笑いヨガが実践されている。本研究では,日常的に笑いヨガを実践していない大学生を対象に,事前に収録されたオンデマンド動画を用いた笑いヨガの実践による心理的効果,および性格特性との関連を検討した。45名の参加者が,動画視聴により笑いヨガの実践セッションに参加する笑いヨガ群と,図書館で過ごすレスト群にランダムに割り付けられた。その結果,笑いヨガ群では実践前後でポジティヴ気分が有意に増大したのに対し,レスト群ではポジティヴ気分は実践後に有意に減少した。また,性格特性と心理状態の間に有意な相関がみられ,神経症傾向が高いほど,笑いヨガ実践後のネガティヴ気分や状態不安が高かった。これらの結果は,収録された動画を用いた笑いヨガの実践により心理状態が一定程度変容すること,および,実践前後の心理状態が性格特性に影響されうる可能性を示唆している。
ISSN:2189-4132
2423-9054
DOI:10.18991/warai.31.0_39