乾燥無垢スギ材の特有抽出成分分析試験方法に関するJAS素案作成への取り組み(第2報) 単一試験室による乾燥無垢スギ材抽出成分(テルペン類)試験法の妥当性確認

著者らは,国産スギ材(Cryptomeria japonica)のさらなる需要拡大を図るため,製材業者や工務店が乾燥無垢スギ材の機能性成分含有量を材に表示することが可能となる試験方法JAS規格化に取り組んでいる。著者らが開発した溶媒抽出-ガスクロマトグラフィ質量分析(GC-MS)試験方法では,スギ材の機能性(睡眠の質向上,リラクゼーション,抗菌・抗ダニ効果等)に寄与すると考えられるセスキテルペン類の含有量を明らかにすることができる。本報では,試験方法の単一試験室による妥当性について,国際的なガイドラインに従い確認した結果を報告する。評価項目は,選択性,検出下限,定量下限,検量線,真度(回収率)...

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Published in木材学会誌 Vol. 71; no. 3; pp. 137 - 146
Main Authors 藤本 登留, 光永 徹, 清水 邦義, 伊佐 亜希子, 藤田 弘毅, 芦谷 竜矢, 小藤田 久義, 谷 和樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.07.2025
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ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.71.137

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Summary:著者らは,国産スギ材(Cryptomeria japonica)のさらなる需要拡大を図るため,製材業者や工務店が乾燥無垢スギ材の機能性成分含有量を材に表示することが可能となる試験方法JAS規格化に取り組んでいる。著者らが開発した溶媒抽出-ガスクロマトグラフィ質量分析(GC-MS)試験方法では,スギ材の機能性(睡眠の質向上,リラクゼーション,抗菌・抗ダニ効果等)に寄与すると考えられるセスキテルペン類の含有量を明らかにすることができる。本報では,試験方法の単一試験室による妥当性について,国際的なガイドラインに従い確認した結果を報告する。評価項目は,選択性,検出下限,定量下限,検量線,真度(回収率),精度(併行精度,中間精度)を選択し,それぞれ評価を行った結果,回収率や精度については良好な結果が得られ,また,ピークの分離度,検量線の直線性,検出・定量下限値を確認し,妥当な分析方法と判断された。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.71.137