日本総合健診医学会 第53回大会・特別講演6 胃がん検診の今昔・未来:内視鏡?ピロリ

胃がんは日本における主要ながんの一つであり、その予防と早期発見のための検診が重要視されている。従来、バリウムX線造影検査が胃がん検診の主流であったが、近年では内視鏡検査の有用性が広く認識されつつある。日本では2015年に対策型検診として、漸く内視鏡検査が導入されたが、その普及率は自治体ごとに異なる。お隣の韓国と比較すると、日本における内視鏡検診の普及は遅れているのが現状である。本総説では、胃がん検診の今昔を概観し、ピロリ菌感染率の低下に伴う胃がん発生率の推移、内視鏡検査の有用性、および人工知能(AI)を用いた画像診断技術の進歩について論じる。さらに、胃がんの一次予防としてのピロリ菌除菌の意義に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in総合健診 Vol. 52; no. 3; pp. 486 - 492
Main Author 鈴木 秀和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合健診医学会 10.05.2025
Online AccessGet full text
ISSN1347-0086
1884-4103
DOI10.7143/jhep.52.486

Cover

More Information
Summary:胃がんは日本における主要ながんの一つであり、その予防と早期発見のための検診が重要視されている。従来、バリウムX線造影検査が胃がん検診の主流であったが、近年では内視鏡検査の有用性が広く認識されつつある。日本では2015年に対策型検診として、漸く内視鏡検査が導入されたが、その普及率は自治体ごとに異なる。お隣の韓国と比較すると、日本における内視鏡検診の普及は遅れているのが現状である。本総説では、胃がん検診の今昔を概観し、ピロリ菌感染率の低下に伴う胃がん発生率の推移、内視鏡検査の有用性、および人工知能(AI)を用いた画像診断技術の進歩について論じる。さらに、胃がんの一次予防としてのピロリ菌除菌の意義についても議論する。今後の展望(未来)として、内視鏡診断技術、特にAI内視鏡のさらなる進化が期待される。
ISSN:1347-0086
1884-4103
DOI:10.7143/jhep.52.486