すべての働く人が安心して活き活き働ける職場づくりの実装へ 産業保健師としての実践・研究・教育を振り返って

理事長賞受賞を機にこれまでの歩みを振り返った.産業保健師としての実践の支えになったのは,学会での情報収集を始め職場内外からの助言を得たことと,研究的な視点から現状分析や活動評価を行うことができたことだった.職場のメンタルヘルス対策,治療と仕事の両立支援,中小企業における産業保健活動の推進方策などにおける産業看護職の役割に焦点をあてた研究活動から,産業看護職の支援特性として,労働者・職場関係者等との信頼関係に基づき,広域の健康課題に対応すること,対象者の主体的・自律的な行動を引き出すこと,多職種・多機関との連携・協働の促進,多層的な支援の連動,等が導き出された.これらの支援特性から,産業看護職を...

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Published in産業精神保健 Vol. 33; no. 1; pp. 73 - 78
Main Author 錦戸, 典子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本産業精神保健学会 20.02.2025
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ISSN1340-2862
2758-1101
DOI10.57339/jjomh.33.1_73

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Summary:理事長賞受賞を機にこれまでの歩みを振り返った.産業保健師としての実践の支えになったのは,学会での情報収集を始め職場内外からの助言を得たことと,研究的な視点から現状分析や活動評価を行うことができたことだった.職場のメンタルヘルス対策,治療と仕事の両立支援,中小企業における産業保健活動の推進方策などにおける産業看護職の役割に焦点をあてた研究活動から,産業看護職の支援特性として,労働者・職場関係者等との信頼関係に基づき,広域の健康課題に対応すること,対象者の主体的・自律的な行動を引き出すこと,多職種・多機関との連携・協働の促進,多層的な支援の連動,等が導き出された.これらの支援特性から,産業看護職を職場の最前線に配置し,必要に応じて産業医,心理職,医療機関等につなぐ支援モデルが最も効率的・効果的で,中小企業で働く人々を含むすべての働く人へ支援を届けるための解決策と考えられる.
ISSN:1340-2862
2758-1101
DOI:10.57339/jjomh.33.1_73