大断面スギ心材の乾燥と薬剤注入(第2報) 高温セット法で乾燥した正角材への薬剤浸潤と注入後の割れ

適切に保存処理されたスギ心持ち正角材の製造技術の開発を目的として,注入前の乾燥方法が薬剤浸潤度と注入後の寸法変化や割れに及ぼす影響について検討した。天然乾燥,中温乾燥,および高温セット法を用いた乾燥を行ったスギ正角材試験体への木材保存剤の浸透性および注入処理後の寸法変化を調べた結果,天然乾燥材や中温乾燥材に比べると,高温セット法で乾燥したスギ心材は注入量が低かった。また,高温セット法で乾燥した無背割り材において,注入後の乾燥工程や養生時に表面割れとそれに伴う顕著な寸法変化が生じた。そのため,これらの材は所定の寸法に仕上げると,インサイジングを行っても製材の日本農林規格(JAS)に定められる浸潤...

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Published in木材学会誌 Vol. 60; no. 3; pp. 177 - 185
Main Authors 矢田, 茂樹, 寺西, 康浩, 藤本, 登留, 蒔田, 章, 桃原, 郁夫, 伊藤, 貴文, 酒井, 温子, 海本, 一, 田中, 陽子, 増田, 勝則, 手塚, 大介, 山口, 秋生, 茂山, 知己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.05.2014
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ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.60.177

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Summary:適切に保存処理されたスギ心持ち正角材の製造技術の開発を目的として,注入前の乾燥方法が薬剤浸潤度と注入後の寸法変化や割れに及ぼす影響について検討した。天然乾燥,中温乾燥,および高温セット法を用いた乾燥を行ったスギ正角材試験体への木材保存剤の浸透性および注入処理後の寸法変化を調べた結果,天然乾燥材や中温乾燥材に比べると,高温セット法で乾燥したスギ心材は注入量が低かった。また,高温セット法で乾燥した無背割り材において,注入後の乾燥工程や養生時に表面割れとそれに伴う顕著な寸法変化が生じた。そのため,これらの材は所定の寸法に仕上げると,インサイジングを行っても製材の日本農林規格(JAS)に定められる浸潤度の基準を満たさない場合があることが明らかになった。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.60.177