《論文》日本の職場の笑いとユーモアについての一考察

本稿では、日本の職場における笑いとユーモアに着目し、その実態とコミュニケーションへの影響を考察する。筆者が楽天インサイトに委託し、20代から60代の正社員1000名を対象に実施した「日本の組織での笑いとユーモアの実態調査」の結果をもとに、職場での笑いの量や笑わせる行為がプライベートに比べて少ないこと、職場では女性の方がよく笑っていること、愛想笑いが20代でよく見られ、年齢が上がるにつれて減少する傾向にあることを明らかにした。また、日本の笑いやユーモアは内輪ウケの傾向があるため、関係性が先にできることが重要で初対面の相手に対して発する笑いやユーモアが見られないと述べた。また、調査で拾えなかった側...

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Published in笑い学研究 Vol. 31; pp. 53 - 66
Main Author 瀬沼 文彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本笑い学会 2024
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ISSN2189-4132
2423-9054
DOI10.18991/warai.31.0_53

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Summary:本稿では、日本の職場における笑いとユーモアに着目し、その実態とコミュニケーションへの影響を考察する。筆者が楽天インサイトに委託し、20代から60代の正社員1000名を対象に実施した「日本の組織での笑いとユーモアの実態調査」の結果をもとに、職場での笑いの量や笑わせる行為がプライベートに比べて少ないこと、職場では女性の方がよく笑っていること、愛想笑いが20代でよく見られ、年齢が上がるにつれて減少する傾向にあることを明らかにした。また、日本の笑いやユーモアは内輪ウケの傾向があるため、関係性が先にできることが重要で初対面の相手に対して発する笑いやユーモアが見られないと述べた。また、調査で拾えなかった側面として、テレワークやコミュニケーションギャップが笑いやユーモアを阻害していると指摘した。本稿の職場における笑いとユーモアの実態及び考察が、職場でのコミュニケーションの改善につながることを期待したい。
ISSN:2189-4132
2423-9054
DOI:10.18991/warai.31.0_53