新型コロナウイルス抗体迅速測定キットOne Step Novel Coronavirus(IgM/IgG)Antibody Test(Artron, Canada)の診断精度検証 単施設の調査報告

新型コロナウイルス抗体迅速測定キットOne Step Novel Coronavirus(IgM/IgG)Antibody Test(Artron, Canada)(迅速キット)の診断精度を調査した。2019年4月〜6月までCoronavirus disease 2019(COVID-19)感染症が認められなかった時期に当センターへ入院した患者100例(非COVID-19症例)の入院後72時間以内に採取された100血清検体と, 2020年4月〜6月までの間に当センターに重症COVID-19の診断で入院となった6例(COVID-19症例)の入院中の37血清検体を迅速キットで検査した。加えて,ウイ...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 25; no. 3; pp. 568 - 574
Main Authors 水沼, 真理子, 丸山, 隼一, 野明, 純汰, 酒井, 麻巳子, 仲村, 佳彦, 吉村, 芳修, 入江, 悠平, 鍋島, 茂樹, 坂本, 篤彦, 石倉, 宏恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 30.06.2022
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.25.568

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Summary:新型コロナウイルス抗体迅速測定キットOne Step Novel Coronavirus(IgM/IgG)Antibody Test(Artron, Canada)(迅速キット)の診断精度を調査した。2019年4月〜6月までCoronavirus disease 2019(COVID-19)感染症が認められなかった時期に当センターへ入院した患者100例(非COVID-19症例)の入院後72時間以内に採取された100血清検体と, 2020年4月〜6月までの間に当センターに重症COVID-19の診断で入院となった6例(COVID-19症例)の入院中の37血清検体を迅速キットで検査した。加えて,ウイルス抗体価をenzymelinked immunosorbent assay(ELISA)法を用いて吸光度を測定し,迅速キットの診断精度を評価した。非COVID-19症例100例中,IgG抗体陽性は6例(特異度94%)であった。6例のウイルス抗体価は6例ともカットオフ値以下であり,6例は迅速キットの偽陽性反応であった。 COVID-19症例6例(37検体)中,IgG抗体陰性は1検体(感度97%)であった。この1検体のウイルス抗体価はカットオフ値以上であった。迅速キットの感度,特異度はともに高かったが,特異度に比較して感度が劣り,偽陽性に注意が必要である。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.25.568