多様性の受容とその課題 職場メンタルヘルスにおけるパラダイムシフト

「一様性」が基本原理の我が国において「多様性の受容」は容易ではない.「仕事に人を合わせる」企業風土から「人に仕事を合わせる」風土へと大きなパラダイムシフトが求められる.そのための問題点と課題を検討した.1)就労者の「多様性」を強みとして「受容」し,よりよい生き方につなぐ「ウェルビーイング経営」がワーク・エンゲイジメントを高める.自己成長型の職場を目指すべく職員教育や職場環境調整を行うことが重要.2)DE&Iは,「やらされ感」はないものの「安心感」はない.年功序列,終身雇用からの脱却には心理的抵抗やアンコンシャスバイアスが根強く,解決すべく課題が少なくない.3)経営層の意識改革,人事労務...

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Published in産業精神保健 Vol. 33; no. 1; pp. 60 - 63
Main Authors 南雲, 智子, 丸岡, 秀一郎, 後藤, 剛, 渡辺, 洋一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本産業精神保健学会 20.02.2025
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ISSN1340-2862
2758-1101
DOI10.57339/jjomh.33.1_60

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Summary:「一様性」が基本原理の我が国において「多様性の受容」は容易ではない.「仕事に人を合わせる」企業風土から「人に仕事を合わせる」風土へと大きなパラダイムシフトが求められる.そのための問題点と課題を検討した.1)就労者の「多様性」を強みとして「受容」し,よりよい生き方につなぐ「ウェルビーイング経営」がワーク・エンゲイジメントを高める.自己成長型の職場を目指すべく職員教育や職場環境調整を行うことが重要.2)DE&Iは,「やらされ感」はないものの「安心感」はない.年功序列,終身雇用からの脱却には心理的抵抗やアンコンシャスバイアスが根強く,解決すべく課題が少なくない.3)経営層の意識改革,人事労務担当者・管理監督者の能力や労力,労働者自身の自己分析と実行力が求められる.ウェルビーイング経営の理解,人事担当者の評価と決定権,管理監督者の専門性と適正報酬,労働者への情報と自己研鑽機会が重要.
ISSN:1340-2862
2758-1101
DOI:10.57339/jjomh.33.1_60