超厚合板鋼板挿入ドリフトピン接合部の構造特性(第1報) 2本のドリフトピン間距離

木質構造において,曲げ降伏型接合具を用いた接合部には,適切な接合具の配置が求められる。製材や集成材,直交集成板を用いた接合部では,接合具配置の規準が提案されているが,超厚合板を用いた接合部に,それらの規準をそのまま適用できるかについては知見が得られていない。そこで,表層単板繊維方向と加力方向を一致させ,接合具配置と接合具間距離を実験因子とし,これらの因子が2本の接合具で構成された超厚合板接合部の耐力と靭性に及ぼす影響を考察した。その結果,接合具を加力平行方向1列に配置した場合,接合具間距離は接合具径の5倍(5d,d:接合具径) 以上確保することの必要性が確認された。加力直交方向1列に配置した場...

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Published in木材学会誌 Vol. 71; no. 3; pp. 111 - 126
Main Authors 練子 祐介, 渋沢 龍也, 青木 謙治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.07.2025
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ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.71.111

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Summary:木質構造において,曲げ降伏型接合具を用いた接合部には,適切な接合具の配置が求められる。製材や集成材,直交集成板を用いた接合部では,接合具配置の規準が提案されているが,超厚合板を用いた接合部に,それらの規準をそのまま適用できるかについては知見が得られていない。そこで,表層単板繊維方向と加力方向を一致させ,接合具配置と接合具間距離を実験因子とし,これらの因子が2本の接合具で構成された超厚合板接合部の耐力と靭性に及ぼす影響を考察した。その結果,接合具を加力平行方向1列に配置した場合,接合具間距離は接合具径の5倍(5d,d:接合具径) 以上確保することの必要性が確認された。加力直交方向1列に配置した場合は,接合具間距離を5d以上 (端距離:5d),または3d以上(端距離:7d)確保することの必要性が確認され,超厚合板接合部は既往の規準とは異なる接合具配置の規準を設定すべきであることが確認された。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.71.111