油脂使用量の異なる主菜調理法と食事中の植物ステロール量の関係―テイクアウト弁当を用いた検討

「I. 緒言」 植物ステロール類は穀物, 野菜, 豆類, 藻類などの植物性食材およびその加工食品に広く分布しており[1-5], 腸管からのコレステロールの取り込みを拮抗的に抑制すること[6]による血漿コレステロール低下機能を有している. この機能が最大限に発揮されるには植物ステロール類を2~3g/日摂取する必要がある[7, 8]とされているが, 最近, より低摂取レベル(150mg/食)でも部分的ながら血漿コレステロール低減に有効という結果が報告された[9]. そこで食事内容の相違が植物ステロール類摂取量にどの程度影響するのか注目される. 日本人の1日当たりの植物ステロール摂取量は通常150~...

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Published in生活衛生 Vol. 52; no. 3; pp. 169 - 175
Main Authors 亀井正治, 佐伯孝子, 尾立純子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 大阪生活衛生協会 2008
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Summary:「I. 緒言」 植物ステロール類は穀物, 野菜, 豆類, 藻類などの植物性食材およびその加工食品に広く分布しており[1-5], 腸管からのコレステロールの取り込みを拮抗的に抑制すること[6]による血漿コレステロール低下機能を有している. この機能が最大限に発揮されるには植物ステロール類を2~3g/日摂取する必要がある[7, 8]とされているが, 最近, より低摂取レベル(150mg/食)でも部分的ながら血漿コレステロール低減に有効という結果が報告された[9]. そこで食事内容の相違が植物ステロール類摂取量にどの程度影響するのか注目される. 日本人の1日当たりの植物ステロール摂取量は通常150~400mg程度と報告されている[2, 10-12]が, その根拠が主としてトータル・ダイエット法あるいは食事中の個々の食材中含有量からの積み上げに基づく計算法に基づいていた. 植物ステロール類は, 植物油中に他の植物性食材の10倍以上含まれていることから[2], 植物油を使った惣菜の多少により食事あたりの植物ステロール摂取量が変動する可能性が考えられる.
ISSN:0582-4176