料理中の栄養素及び食品構成による料理群分類方法の検討~クラスター分析による料理型との比較

「緒言」日本人の望ましい食生活の指針として, 厚生労働省, 農林水産省, 文部科学省が合同で2000年3月に「食生活指針」1)を策定し, それを具体的な行動に移すためのものとして厚生労働省と農林水産省が日本版フードガイド「食事バランスガイド」2)を2005年6月に発表した. また, 同時期に成立した「食育基本法」3)に基づき, 2006年3月には食育推進会議において「食育推進基本計画」4)が決定され, その目標の1つに「食事バランスガイド」等を参考に食生活を送っている国民の割合の増加が挙げられている. 食事診断や栄養指導は従来, 栄養素等摂取量や食品(群別)摂取量を明らかにし, 栄養所要量(食...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 66; no. 1; pp. 15 - 23
Main Authors 久野真奈見, 早渕仁美, 松永泰子, 吉池信男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.02.2008
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ISSN0021-5147

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Summary:「緒言」日本人の望ましい食生活の指針として, 厚生労働省, 農林水産省, 文部科学省が合同で2000年3月に「食生活指針」1)を策定し, それを具体的な行動に移すためのものとして厚生労働省と農林水産省が日本版フードガイド「食事バランスガイド」2)を2005年6月に発表した. また, 同時期に成立した「食育基本法」3)に基づき, 2006年3月には食育推進会議において「食育推進基本計画」4)が決定され, その目標の1つに「食事バランスガイド」等を参考に食生活を送っている国民の割合の増加が挙げられている. 食事診断や栄養指導は従来, 栄養素等摂取量や食品(群別)摂取量を明らかにし, 栄養所要量(食事摂取基準)や食品構成等を指標にして行われることが一般的であったが, 主食や主菜等の料理レベルで評価した研究報告も少なくない5-18). また, 「主食・主菜・副菜を揃えた食事」は, 2000年の食生活指針1)にも掲げられているように, バランスのよい食事の指標とされ, 食知識の少ない人にも受け入れられ易いことが報告されている11, 17, 18). しかし, 料理の分類方法や基準をデータベース的アプローチにより系統的に明示したものは著者らの前報19)程度であり, 料理分類方法の詳細な検討を行った報告はあまりみられない. そこで, 本研究では, 前報19)の料理分類の条件と基準により分類された(図1方法A)各料理群の栄養価や食品構成の特徴を明らかにすると同時に, クラスター分析を用いて同対象料理をパターン化して得られた(図1方法B)11料理型の特徴20)との関係を調べることにより, 料理分類方法の検討を行ったので報告する.
ISSN:0021-5147