残食調査結果から推察される介護老人保健施設入所者の食品群および調理に対する嗜好について

介護老人保健施設とは, 「要介護者に対し, 施設サービス計画に基づいて, 看護, 医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」と介護保険法で定義されている. しかしながら, 栄養状態を良好に保つことができず, そのために日常生活動作能力(Activities of Daily Living, ADL)や体力の低下, さらに疾患や褥瘡の悪化などを招き, 機能訓練の目的を果たせないケースも少なくない. 高齢者の最大の栄養問題として, たんぱく質エネルギー低栄養状態(Protein Energy Malnutrition, PEM)があげら...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 62; no. 3; pp. 153 - 160
Main Authors 小城明子, 高木里恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.06.2004
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ISSN0021-5147

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Summary:介護老人保健施設とは, 「要介護者に対し, 施設サービス計画に基づいて, 看護, 医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設」と介護保険法で定義されている. しかしながら, 栄養状態を良好に保つことができず, そのために日常生活動作能力(Activities of Daily Living, ADL)や体力の低下, さらに疾患や褥瘡の悪化などを招き, 機能訓練の目的を果たせないケースも少なくない. 高齢者の最大の栄養問題として, たんぱく質エネルギー低栄養状態(Protein Energy Malnutrition, PEM)があげられる. 日本においては, 介護が必要な高齢者のPEMの出現率は30~40%といわれている1). 加齢により生理的に栄養状態を悪化させる要因が多くなるからであり, 栄養素の不適正な摂取だけでなく, 消化吸収障害, 利用効率の低下, 損失の増大, 必要量の増大, 疾病などによる代謝障害がその要因となっている2, 3).
ISSN:0021-5147