ヌードマウスにおけるヒト脱灰象牙質顆粒の骨・軟骨誘導

「緒言」クロイツフェルトヤコブ病に代表されるように生体由来材料の安全性に対する関心が高まりつつある現在, 自己血や自家細胞・組織を有効利用して組織再生を促進する研究が進展しつつある. 1965年Urist1)によるウサギ塩酸脱灰骨の筋肉内における骨誘導研究と同様に, 脱灰象牙質による異所性骨誘導現象が1967年から報告されている. 1967年Yeomans and Urist2)はウサギ脱灰象牙質が筋肉内で未分化間葉系細胞を骨へと誘導することを明かにした. 1970年Huggins and Urist3)はラット切歯由来脱灰象牙質の腹部皮下組織内における軟骨・骨誘導を報告した. 1970年Hu...

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Published inJournal of Hard Tissue Biology Vol. 11; no. 3; pp. 110 - 114
Main Authors 村田勝, 佐藤大介, 赤澤敏之, 平敏夫, 佐々木智也, 有末眞
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 硬組織再生生物学会 01.03.2003
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ISSN1341-7649

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Summary:「緒言」クロイツフェルトヤコブ病に代表されるように生体由来材料の安全性に対する関心が高まりつつある現在, 自己血や自家細胞・組織を有効利用して組織再生を促進する研究が進展しつつある. 1965年Urist1)によるウサギ塩酸脱灰骨の筋肉内における骨誘導研究と同様に, 脱灰象牙質による異所性骨誘導現象が1967年から報告されている. 1967年Yeomans and Urist2)はウサギ脱灰象牙質が筋肉内で未分化間葉系細胞を骨へと誘導することを明かにした. 1970年Huggins and Urist3)はラット切歯由来脱灰象牙質の腹部皮下組織内における軟骨・骨誘導を報告した. 1970年Hugginsら4)はブタ, マウス, ラット由来象牙質の軟骨・骨誘導を報告した. 1977年Butlers5)らはラット象牙質の非コラーゲン性タンパク質が骨誘導活性を有することを分析した. 1986年Inoueら6)は, ラット脱灰象牙質の軟骨・骨誘導現象を報告した. 1989年Kawai and Urist7)はウシ象牙質から, Besshoらは1990年ウサギ象牙質から, 1991年ヒト象牙質からBMP様物質を部分精製した8, 9).
ISSN:1341-7649