奥多摩山間地域での遠隔医療の試み コミュニティ型遠隔医療システムの島しょ医療への応用を考える

筆者が携わっている山間へき地(奥多摩町)でのコミュニティ型遠隔医療実験(通称“奥多摩プロジェクト”)では,コミュニティ科学の手法を用いたコミュニティ型遠隔医療システムを使って,生活習慣の改善の指導のみでメタボリックシンドロームや生活習慣病の改善を図っている.このシステムの有効性は,低い社会的コスト・環境負荷で高効率であることや,動画により情報量が増加すること, 画像情報を共有できること,相談者の生活空間へ介入できること等に表れている.結果として参加者の行動変容や血液データの改善という形で数々の成果を上げている.また,地域コミュニティの再生につながる可能性も見出されている.  このコミュニティ型...

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Published in島しょ医療研究会誌 Vol. 2; no. 2; pp. 44 - 50
Main Authors 栗原, 毅, 光定, 誠, 澁谷, 恭子, 金子, 郁容, 井上, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 島しょ医療研究会 2021
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ISSN2435-9904
DOI10.34610/tousho.2.2_44

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Summary:筆者が携わっている山間へき地(奥多摩町)でのコミュニティ型遠隔医療実験(通称“奥多摩プロジェクト”)では,コミュニティ科学の手法を用いたコミュニティ型遠隔医療システムを使って,生活習慣の改善の指導のみでメタボリックシンドロームや生活習慣病の改善を図っている.このシステムの有効性は,低い社会的コスト・環境負荷で高効率であることや,動画により情報量が増加すること, 画像情報を共有できること,相談者の生活空間へ介入できること等に表れている.結果として参加者の行動変容や血液データの改善という形で数々の成果を上げている.また,地域コミュニティの再生につながる可能性も見出されている.  このコミュニティ型遠隔医療システムを応用して,栄養指導,リハビリ指導,専門診療の充実,災害現場での医療資源の提供,動画を用いた診療支援,症例カンファランスといった形で島しょ医療に貢献できるものと考える.
ISSN:2435-9904
DOI:10.34610/tousho.2.2_44