肝細胞癌患者の予後因子
臨床所見,9項目,血液検査所見,10項目から,肝細胞癌(肝癌)患者の予後に関連性をもつ因子を選んだ.1ヵ月以上は化学療法を受けていない60人の肝癌患者を臨床所見の有無によって2群に分け,各群の生存曲線を作製し,また,10項目の検査値と患者の平均生存期間との関連性などについて検討した. その結果,2mg/100ml以上の血清ビリルビン,150U以上のGOT, 100U以上のγ-GTPなどは悪い予後を示す因子であった.末梢リンパ球数の減少,肝シンチ所見から,肝臓の50%以上を占拠するような腫瘍をもつ患者は予後が悪い. 以上から,これら5項目は肝癌のより客観的な臨床病期分類を確立するための有用な因子...
Saved in:
Published in | 肝臓 Vol. 22; no. 2; pp. 274 - 279 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.02.1981
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 臨床所見,9項目,血液検査所見,10項目から,肝細胞癌(肝癌)患者の予後に関連性をもつ因子を選んだ.1ヵ月以上は化学療法を受けていない60人の肝癌患者を臨床所見の有無によって2群に分け,各群の生存曲線を作製し,また,10項目の検査値と患者の平均生存期間との関連性などについて検討した. その結果,2mg/100ml以上の血清ビリルビン,150U以上のGOT, 100U以上のγ-GTPなどは悪い予後を示す因子であった.末梢リンパ球数の減少,肝シンチ所見から,肝臓の50%以上を占拠するような腫瘍をもつ患者は予後が悪い. 以上から,これら5項目は肝癌のより客観的な臨床病期分類を確立するための有用な因子であると推定される. |
---|---|
ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.22.274 |