指サック使用が刺鍼時の痛みに及ぼす影響

【目的】刺鍼手技中に生じる被験者の痛みの感覚を中心とした評価を行い、指サック使用時の刺鍼操作性を検討した。 【デザイン】被験者と施術者をブラインド化させた無作為化比較試験。 【方法】16人の施術者と被験者を対象とし、施術者は被験者の腰部に左右各1本刺鍼した後、低周波鍼通電を行った。この実験は指サック非使用時と使用時でそれぞれ行い、実験の順序はランダム化した。被験者には刺鍼操作時や鍼通電時の痛みの程度と質について質問紙に回答させた。施術時間についても計測した。施術者には指サック使用によって感じる施術上の不便さについて調査を行った。 【結果】大多数の施術者は指サックを使用しての鍼施術に不便さを訴え...

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Published in全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 54; no. 4; pp. 627 - 635
Main Authors 恒松, 隆太郎, 徳竹, 忠司, 中野, 秀樹, 宮本, 俊和, 半田, 美香子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 全日本鍼灸学会 01.08.2004
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ISSN0285-9955
1882-661X
DOI10.3777/jjsam.54.627

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Summary:【目的】刺鍼手技中に生じる被験者の痛みの感覚を中心とした評価を行い、指サック使用時の刺鍼操作性を検討した。 【デザイン】被験者と施術者をブラインド化させた無作為化比較試験。 【方法】16人の施術者と被験者を対象とし、施術者は被験者の腰部に左右各1本刺鍼した後、低周波鍼通電を行った。この実験は指サック非使用時と使用時でそれぞれ行い、実験の順序はランダム化した。被験者には刺鍼操作時や鍼通電時の痛みの程度と質について質問紙に回答させた。施術時間についても計測した。施術者には指サック使用によって感じる施術上の不便さについて調査を行った。 【結果】大多数の施術者は指サックを使用しての鍼施術に不便さを訴えた。痛みの程度は指サック非使用時と使用時で統計学的な差は認められなかったが、使用時に高値を示す傾向が見られた。痛みの質は指サック非使用時と使用時で統計学的な差は認められなかったが一部の項目については、指サックの非使用時と使用時との間で選択された数に違いが認められた。被験者は指サックの使用・非使用を識別できなかった。指サック非使用時と使用時で施術時間に有意な差は生じなかった。 【結論】指サック使用は刺鍼時の痛み・操作時間に影響を及ぼさない。被験者は刺鍼操作時の指サック使用・非使用を識別できない。
ISSN:0285-9955
1882-661X
DOI:10.3777/jjsam.54.627