自治医科大学の上顎洞悪性腫瘍に対する集学治療成績

1979年以降, 一時治療として本治療方法を受けた症例は98例 (男性63人, 女性35人) であり, 平均年齢は61歳 (36~86歳) であった。平均観察期間は78カ月 (4~230カ月) である。症例全体の死因特異的生存率は5年および10年ともに77%であった。T分類別の5年局所制御率はT2 : 89%, T3 : 91%, T4a : 66%, T4b : 62%であった。5年局所制御率は扁平上皮癌以外の病理型では扁平上皮癌に比べ有意に悪かった。そこで80例の扁平上皮癌でのT分類別5年局所制御率ではT2 : 100%, T3 : 93%, T4a : 78%, T4b : 69%であっ...

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Published in頭頸部癌 Vol. 30; no. 4; pp. 539 - 544
Main Authors 西野, 宏, 石川, 和宏, 田中, 秀隆, 阿部, 弘一, 篠崎, 剛, 藤澤, 嘉朗, 市村, 恵一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本頭頸部癌学会 25.12.2004
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Summary:1979年以降, 一時治療として本治療方法を受けた症例は98例 (男性63人, 女性35人) であり, 平均年齢は61歳 (36~86歳) であった。平均観察期間は78カ月 (4~230カ月) である。症例全体の死因特異的生存率は5年および10年ともに77%であった。T分類別の5年局所制御率はT2 : 89%, T3 : 91%, T4a : 66%, T4b : 62%であった。5年局所制御率は扁平上皮癌以外の病理型では扁平上皮癌に比べ有意に悪かった。そこで80例の扁平上皮癌でのT分類別5年局所制御率ではT2 : 100%, T3 : 93%, T4a : 78%, T4b : 69%であった。眼窩先端部に進展を認めた症例では有意に局所制御が悪かった。89例のT3T4症例で72例の症例が治療後に適切な視機能を呈していた。本治療方法は上顎洞悪性腫瘍に対し有効な治療方法と考えられるが, 扁平上皮癌以外の病理型と眼窩先端部に進展を認める症例では適応に慎重を要する。
ISSN:1349-5747
1881-8382
DOI:10.5981/jjhnc.30.539