星状神経節刺針の解剖学的検討

19遺体の両側38側で天突穴の外方1.5cm, 上方2.5cmの点に星状神経節刺針を行ない, 針の貫通到達部位を調べた。また, 星状神経節の大きさと解剖学的位置, および近接諸構造との位置的関係を観察した。針は38例中8例のみが神経節内側縁に刺さり, それに先だち, 椎骨または鎖骨下動脈, さらに胸膜頂を貫いていた。残りの神経節より内方にはずれた例では, 上記構造を貫く割合は極めて低かった。神経節の大きさは長径27.1mm, 幅7.7mm, 厚さ2.8mmで, C7椎体中央からTh2椎体上部の高さで椎骨動脈, 鎖骨下動脈, および胸膜頂の背方に位置していた。体表への投影範囲は右側では天突穴から...

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Published in全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 37; no. 4; pp. 268 - 278
Main Authors 尾崎, 朋文, 北村, 清一郎, 森, 俊豪, 竹下, イキ子, 上島, 幸枝, 堺, 章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 全日本鍼灸学会 01.12.1987
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Summary:19遺体の両側38側で天突穴の外方1.5cm, 上方2.5cmの点に星状神経節刺針を行ない, 針の貫通到達部位を調べた。また, 星状神経節の大きさと解剖学的位置, および近接諸構造との位置的関係を観察した。針は38例中8例のみが神経節内側縁に刺さり, それに先だち, 椎骨または鎖骨下動脈, さらに胸膜頂を貫いていた。残りの神経節より内方にはずれた例では, 上記構造を貫く割合は極めて低かった。神経節の大きさは長径27.1mm, 幅7.7mm, 厚さ2.8mmで, C7椎体中央からTh2椎体上部の高さで椎骨動脈, 鎖骨下動脈, および胸膜頂の背方に位置していた。体表への投影範囲は右側では天突穴から外方20~30mm, 上方10~40mm, 左側は外方15~25mm, 上方10~35mmであった。
ISSN:0285-9955
1882-661X
DOI:10.3777/jjsam.37.268