肝硬変症における肝膵相関

食道静脈瘤合併肝硬変症18例に門脈カテーテル法を用いて,末梢静脈から20% L-arginine 40ml/5分負荷時の門脈血および末梢血中,血糖,インスリン(IRI),膵グルカゴン(IRG)を測定した.肝硬変症では病期によりバラツキがみられるが,全体として膵α細胞の機能亢進,膵β細胞の機能低下が認められ,従来よりみられる末梢血の高IRI,高IRG血症は肝でのdegradationの低下によると推測した.また門脈血中膵内分泌動態は,末梢血に比較して,portal systemic shuntや肝におけるホルモンのdegradationの影響を無視でき,より肝の病態を反映している可能性を示唆した...

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Published in肝臓 Vol. 24; no. 3; pp. 301 - 305
Main Authors 橋本, 直樹, 楠, 徳郎, 琴浦, 義尚, 石川, 羊男, 山村, 武平, 中尾, 宣夫, 芦田, 寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.03.1983
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.24.301

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Summary:食道静脈瘤合併肝硬変症18例に門脈カテーテル法を用いて,末梢静脈から20% L-arginine 40ml/5分負荷時の門脈血および末梢血中,血糖,インスリン(IRI),膵グルカゴン(IRG)を測定した.肝硬変症では病期によりバラツキがみられるが,全体として膵α細胞の機能亢進,膵β細胞の機能低下が認められ,従来よりみられる末梢血の高IRI,高IRG血症は肝でのdegradationの低下によると推測した.また門脈血中膵内分泌動態は,末梢血に比較して,portal systemic shuntや肝におけるホルモンのdegradationの影響を無視でき,より肝の病態を反映している可能性を示唆した.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.24.301