挿管困難症が予測された小児巨大咽後膿瘍症例の麻酔管理

川崎病治療中に巨大咽後膿瘍を発症し, 全身麻酔下に緊急排膿術を施行した1歳5ヵ月の小児症例を経験した. 川崎病における頸部リンパ節腫脹と咽後膿瘍は鑑別が難しく, 切開・排膿により初めて診断がつくこともまれではない. 本症例では, 膿瘍の大きさから挿管困難を予想し, 術前より意識下挿管を行った. また, 抜管後に膿を誤嚥しないよう, トレンデレンブルグ体位かつ側臥位で抜管した. 小児の挿管困難に対し, 緊急手術というかぎられた情報のなかで適切な麻酔管理, 術後管理の重要性を示した症例であった....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 25; no. 2; pp. 166 - 169
Main Authors 野田, 吉和, 渡部, 愛子, 山口, 千尋, 間瀬, 清, 佐伯, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.03.2005
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.25.166

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Summary:川崎病治療中に巨大咽後膿瘍を発症し, 全身麻酔下に緊急排膿術を施行した1歳5ヵ月の小児症例を経験した. 川崎病における頸部リンパ節腫脹と咽後膿瘍は鑑別が難しく, 切開・排膿により初めて診断がつくこともまれではない. 本症例では, 膿瘍の大きさから挿管困難を予想し, 術前より意識下挿管を行った. また, 抜管後に膿を誤嚥しないよう, トレンデレンブルグ体位かつ側臥位で抜管した. 小児の挿管困難に対し, 緊急手術というかぎられた情報のなかで適切な麻酔管理, 術後管理の重要性を示した症例であった.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.25.166