異なる木質床での歩行が生理・心理に及ぼす影響(第1報) 裸足での歩行時における下肢表面筋電図および印象評価

本研究では,木質系床材の下地材ならびに仕上げ材の違いが裸足での歩行時の生理・心理に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。剛性の異なる2種類の床下地材と表面性状が異なる2種類の仕上げ材を組み合わせた4通りのモデル床での歩行時において,下肢6か所の表面筋電図を測定するとともに,歩行感に関する心理評価を行った。高剛性な24mm厚合板の下地材は低剛性な根太と15mm合板の下地材と比べて歩行時の大腿二頭筋の筋電図積分値が低く足への負担が少ないことが示された。表面の凹凸が大きい表面圧密化スギ仕上げ材は平滑なセラミック塗装のヒノキ仕上げ材と比べて表面筋電図積分値が低い傾向にあった。印象評価においては平滑...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in木材学会誌 Vol. 69; no. 1; pp. 1 - 13
Main Authors 森川, 岳, 松村, 順司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.01.2023
Online AccessGet full text
ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.69.1

Cover

Loading…
More Information
Summary:本研究では,木質系床材の下地材ならびに仕上げ材の違いが裸足での歩行時の生理・心理に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。剛性の異なる2種類の床下地材と表面性状が異なる2種類の仕上げ材を組み合わせた4通りのモデル床での歩行時において,下肢6か所の表面筋電図を測定するとともに,歩行感に関する心理評価を行った。高剛性な24mm厚合板の下地材は低剛性な根太と15mm合板の下地材と比べて歩行時の大腿二頭筋の筋電図積分値が低く足への負担が少ないことが示された。表面の凹凸が大きい表面圧密化スギ仕上げ材は平滑なセラミック塗装のヒノキ仕上げ材と比べて表面筋電図積分値が低い傾向にあった。印象評価においては平滑な仕上げ材の方が歩きやすいと評価されたが,これは表面筋電図の結果と反対であった。筋電図は短時間の歩行では認知されにくい長時間の歩行による疲労の蓄積の予測に有用であると考えられた。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.69.1