高齢者の閉じこもり改善に向けた非閉じこもり者の移動実態の明確化 都市部在住ボランティア参加者を対象に

高齢者の閉じこもりは,虚弱の健康問題を引き起こす原因になるということがわかってきている.閉じこもりは,地方部では約15%程度,都市部では約7%発生している.本研究では,閉じこもりの要因のうち,社会・環境的要因である交通環境の影響に着目し,その介入方法の検討へ繋げることを目的に,交通環境が発達している都市部のうち世田谷区において,週2日以上外出習慣があり,ボランティアに参加している65歳以上の高齢者を対象にボランティア活動へ参加する際の移動実態を調査した.その結果として,外出頻度が週2~3日である閉じこもり予備群のうち73%もの人がボランティア目的の外出を週2~3日行っており,高齢者の外出に対し...

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Published inグロービス経営大学院紀要 Vol. 3; pp. 12 - 22
Main Authors 難波, 美帆, 栗本, 典子, 田中, 英輝, 山口, 英樹, 加藤, 邦仁, 足立, るみの
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 グロービス経営大学院大学 31.10.2024
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ISSN2758-4046
DOI10.57433/globis.3.0_12

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Summary:高齢者の閉じこもりは,虚弱の健康問題を引き起こす原因になるということがわかってきている.閉じこもりは,地方部では約15%程度,都市部では約7%発生している.本研究では,閉じこもりの要因のうち,社会・環境的要因である交通環境の影響に着目し,その介入方法の検討へ繋げることを目的に,交通環境が発達している都市部のうち世田谷区において,週2日以上外出習慣があり,ボランティアに参加している65歳以上の高齢者を対象にボランティア活動へ参加する際の移動実態を調査した.その結果として,外出頻度が週2~3日である閉じこもり予備群のうち73%もの人がボランティア目的の外出を週2~3日行っており,高齢者の外出に対して,ボランティアという社会接触は重要な動機と言える.「外出頻度」「ボランティア活動のやりがい」「移動の困難さ」の関係においては,やりがいの有無よりも移動の困難さがないことがボランティア参加に繋がると考えられる.
ISSN:2758-4046
DOI:10.57433/globis.3.0_12