地域を題材とした実践における生徒エージェンシーの育みと教師の学び

本研究の目的は,地域学習の実践を通して子どもたちに育まれたエージェンシーと教師の学びの要素を検討することにより,地域学習の有効性を探りその実践方略への示唆を得ることである.筆者らは,国語と総合的な学習の時間を利用して地域学習を実践した13 校21 名の小学校教員にインタビュー調査を実施し,子どもの変化を生徒エージェンシーの構成要素に,自身の学びを教師の資質能力の指標に分類することで,その効果を検証した.結果として,本実践は,生徒エージェンシーの中でも子どもの目的意識や希望を多く育み,教師が子どもの主体性に任せる学習指導方略の有効性を多く学ぶ契機となり,教師の素養を高めたことが確認された.これら...

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Published in教育実践学研究 Vol. 26; no. 2; p. 1
Main Authors 滝本 葉子, 塩津 昭弘, 野入 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育実践学会 31.03.2025
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ISSN1344-946X
2435-9521
DOI10.34587/jsep.26.2_1

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Summary:本研究の目的は,地域学習の実践を通して子どもたちに育まれたエージェンシーと教師の学びの要素を検討することにより,地域学習の有効性を探りその実践方略への示唆を得ることである.筆者らは,国語と総合的な学習の時間を利用して地域学習を実践した13 校21 名の小学校教員にインタビュー調査を実施し,子どもの変化を生徒エージェンシーの構成要素に,自身の学びを教師の資質能力の指標に分類することで,その効果を検証した.結果として,本実践は,生徒エージェンシーの中でも子どもの目的意識や希望を多く育み,教師が子どもの主体性に任せる学習指導方略の有効性を多く学ぶ契機となり,教師の素養を高めたことが確認された.これらの知見より,教科横断的に多様な他者と連携した地域学習,未来の姿からバックキャスティングする方略,子どもを主体した不確実性の高い実践は,生徒エージェンシー及び教師の資質能力を向上させることが示唆された.
ISSN:1344-946X
2435-9521
DOI:10.34587/jsep.26.2_1