各種食品咀嚼時における舌運動の超音波検査

咀嚼時における舌の上下運動を観察することを目的として, 超音波診断装置を用いて行った.被験者は, 平均年齢28.7歳の顎口腔系に異常を認めない6名とした.被験者に座位の姿勢をとらせ, フランクフルト平面が可及的に床と平行になるようにした.超音波プローブは, 7MHzの電子コンベックスタイプを用いた.安静状態にて超音波プローブをオトガイ下皮膚面に貼付し, 矢状断面にてBモードを用いて超音波画像を得た.その後カーソルを左右下顎第一大臼歯を結んだ線上に設定し, その部の舌の上下運動をMモードにて観察した.外形が小さく, しかも軽い超音波プローブを用いたことにより, 固定装置を用いることなく超音波画像...

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Published in日本顎口腔機能学会雑誌 Vol. 3; no. 1; pp. 37 - 45
Main Authors 龍田, 光弘, 田中, 昌博, 川添, 堯彬, 関, 良太, 今井, 敦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎口腔機能学会 30.06.1996
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ISSN1340-9085
1883-986X
DOI10.7144/sgf.3.37

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Summary:咀嚼時における舌の上下運動を観察することを目的として, 超音波診断装置を用いて行った.被験者は, 平均年齢28.7歳の顎口腔系に異常を認めない6名とした.被験者に座位の姿勢をとらせ, フランクフルト平面が可及的に床と平行になるようにした.超音波プローブは, 7MHzの電子コンベックスタイプを用いた.安静状態にて超音波プローブをオトガイ下皮膚面に貼付し, 矢状断面にてBモードを用いて超音波画像を得た.その後カーソルを左右下顎第一大臼歯を結んだ線上に設定し, その部の舌の上下運動をMモードにて観察した.外形が小さく, しかも軽い超音波プローブを用いたことにより, 固定装置を用いることなく超音波画像を記録することができた.また, リアルタイムで時間的経過の追うことのできるMモードの使用が可能となった. 以下に結果を示す 1. 舌運動軌跡を肉眼的観察したところ, その規則性からの面で咀嚼開始から嚥下までを2相に分けることができた.つまり, 食品選別相 (SO相) および食塊形成相 (BF相) の2相であった. 2. 下顎安静位における舌位および咀嚼中の最下点, 最上点は, 個人内において常にほぼ一定であった.
ISSN:1340-9085
1883-986X
DOI:10.7144/sgf.3.37