離乳期乳児における筋活動咀嚼リズムの観察

乳児離乳期における咀嚼運動の発達と各時期での特徴を明らかにする目的で, 離乳食咀嚼運動時における咀嚼運動リズムと, 側頭筋と舌骨上筋群の筋協調パターンを筋電図を用い検討した.被検児は吸啜群を対照とし離乳食を開始してから8週間隔で1群から4群に分けた.筋活動協調パターン評価では持続的舌圧接型, 周期的舌圧接型および成熟型の3タイプに分類し, 今回は特に成熟型の咀嚼運動中に占める割合について検討した. その結果, 離乳開始から16週頃までは咀嚼サイクル時間, 持続時間ともに長い咀嚼パターンを示し, また閉口筋である側頭筋と開口筋である舌骨上筋群とが同時に活動する協調運動を示していたが, 離乳の進行...

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Published in日本顎口腔機能学会雑誌 Vol. 6; no. 1; pp. 79 - 84
Main Authors 芥子川, 浩子, 田村, 康夫, 長谷川, 信乃, 仲岡, 佳彦, 山田, 賢, 近藤, 亜子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎口腔機能学会 30.09.1999
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ISSN1340-9085
1883-986X
DOI10.7144/sgf.6.79

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Summary:乳児離乳期における咀嚼運動の発達と各時期での特徴を明らかにする目的で, 離乳食咀嚼運動時における咀嚼運動リズムと, 側頭筋と舌骨上筋群の筋協調パターンを筋電図を用い検討した.被検児は吸啜群を対照とし離乳食を開始してから8週間隔で1群から4群に分けた.筋活動協調パターン評価では持続的舌圧接型, 周期的舌圧接型および成熟型の3タイプに分類し, 今回は特に成熟型の咀嚼運動中に占める割合について検討した. その結果, 離乳開始から16週頃までは咀嚼サイクル時間, 持続時間ともに長い咀嚼パターンを示し, また閉口筋である側頭筋と開口筋である舌骨上筋群とが同時に活動する協調運動を示していたが, 離乳の進行に伴い閉口筋と開口筋とが交互に活動する成熟型の割合が高くなっていた.それ故, この時期の咀嚼機能は閉口筋と開口筋の機能的な分離が進み, 次第に発達することが示唆された.
ISSN:1340-9085
1883-986X
DOI:10.7144/sgf.6.79