Closed-loop型腸閉塞症のMDCT診断─絞扼診断の精度向上への試み
【目的】血流障害を伴いやすいclosed-loop(CL)の診断は難題である。MDCTによる形態診断を行い有用性について検討する。【対象】MDCTを行った小腸閉塞症50例【方法】(1)64列MDCT:閉塞部の形態に注目し両端閉塞型腸管ループとそれに対応する腸間膜血管の集束像を認めた場合CL型,その他をopen─loop(OL)型と分類。(2)臨床所見と比較。【結果】(1)MDCT:CL17例・OL33例。(2)手術施行29例の手術所見(CL14・OL15)との比較でMDCTの正診率は97%であった。CTでOLと診断した群に絞扼はなく,CL群で17例中9例(53%)に絞扼が合併していた。【考察】...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 31; no. 7; pp. 973 - 978 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
30.11.2011
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Summary: | 【目的】血流障害を伴いやすいclosed-loop(CL)の診断は難題である。MDCTによる形態診断を行い有用性について検討する。【対象】MDCTを行った小腸閉塞症50例【方法】(1)64列MDCT:閉塞部の形態に注目し両端閉塞型腸管ループとそれに対応する腸間膜血管の集束像を認めた場合CL型,その他をopen─loop(OL)型と分類。(2)臨床所見と比較。【結果】(1)MDCT:CL17例・OL33例。(2)手術施行29例の手術所見(CL14・OL15)との比較でMDCTの正診率は97%であった。CTでOLと診断した群に絞扼はなく,CL群で17例中9例(53%)に絞扼が合併していた。【考察】空間分解能の高いMDCTによる形態診断は手術所見とほぼ合致した。絞扼はCL内に起こる血流障害であるため,MDCTによるCLの検出は絞扼診断の精度を向上しうる。【結語】MDCTによるCL診断は臨床的に有用と考えられた。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.31.973 |