婦人科がん術後患者の生活支援に係る倫理的課題:退院後電話相談の内容からの考察

本研究目的は、退院後の患者を対象にセルフマネジメント(以下、SM)向上のための電話相談を実施し、その相談内容から婦人科がん患者の生活を支える看護実践について倫理的課題の視点から考察することである。婦人科がん術後はリンパ浮腫発症のリスクが高く、SMは不可欠であるが、入院中の限られた時間でのSMの習得は難しい。20歳代~70歳代婦人科がん術後女性患者55名に対して半構造的質問紙を用い、術後6ヶ月間、月1回電話相談を行い質的帰納的に分析した。相談内容は一般的術後相談、個人的相談、助言要請に大別された。退院後の患者は生活する上で適切な情報が獲得できていないこと、女性特有疾患の性的問題等が含まれることに...

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Published in日本看護倫理学会誌 Vol. 8; no. 1; pp. 16 - 24
Main Authors 佐藤, 真由美, 足立, 智孝, 佐藤, 禮子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護倫理学会 20.03.2016
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ISSN2434-7361
DOI10.32275/jjne.8.1_16

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Summary:本研究目的は、退院後の患者を対象にセルフマネジメント(以下、SM)向上のための電話相談を実施し、その相談内容から婦人科がん患者の生活を支える看護実践について倫理的課題の視点から考察することである。婦人科がん術後はリンパ浮腫発症のリスクが高く、SMは不可欠であるが、入院中の限られた時間でのSMの習得は難しい。20歳代~70歳代婦人科がん術後女性患者55名に対して半構造的質問紙を用い、術後6ヶ月間、月1回電話相談を行い質的帰納的に分析した。相談内容は一般的術後相談、個人的相談、助言要請に大別された。退院後の患者は生活する上で適切な情報が獲得できていないこと、女性特有疾患の性的問題等が含まれることによる医療者介入の困難性、患者の医療者に対する遠慮により、医療者が患者ニーズを把握できないこと等の倫理的課題が抽出された。これらの倫理的課題を解決する方策の一つとして、外来での患者相談体制の構築が必要である。
ISSN:2434-7361
DOI:10.32275/jjne.8.1_16