胃癌手術におけるCommon Terminology Criteria for Adverse Events v3.0を利用した合併症の評価

はじめに:Common Terminology Criteria for Adverse Events v3.0(以下,CTCAE)を用いて胃癌手術に関する合併症の評価を試み,その有用性と問題点について検討した.方法:2004年12月から2006年12月に行った胃癌手術症例154例を対象として,胃癌手術合併症を術中合併症,術後早期合併症(外科的合併症,非外科的合併症),術後晩期合併症に分類して前向きに評価した.手術内容は幽門側胃切除術93例,胃全摘術38例,吻合術10例,その他13例であった.結果:胃癌手術における周術期の合併症は全体として125例(81.2%),Grade 3以上は27例(1...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 42; no. 1; pp. 10 - 15
Main Authors 木村, 豊, 矢野, 浩司, 岩澤, 卓, 宮崎, 進, 塩崎, 憲, 加納, 寿之, 大西, 直, 東野, 健, 中野, 芳明, 門田, 卓士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.01.2009
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Summary:はじめに:Common Terminology Criteria for Adverse Events v3.0(以下,CTCAE)を用いて胃癌手術に関する合併症の評価を試み,その有用性と問題点について検討した.方法:2004年12月から2006年12月に行った胃癌手術症例154例を対象として,胃癌手術合併症を術中合併症,術後早期合併症(外科的合併症,非外科的合併症),術後晩期合併症に分類して前向きに評価した.手術内容は幽門側胃切除術93例,胃全摘術38例,吻合術10例,その他13例であった.結果:胃癌手術における周術期の合併症は全体として125例(81.2%),Grade 3以上は27例(17.5%)に認められた.術中合併症は3例(1.3%),術後早期合併症のうち外科的合併症は,30例(19.5%),非外科的合併症は121例(78.6%),術後晩期合併症は18例(11.7%)にみられた.手術死亡例,在院死亡例はなく,術後在院日数の中央値は21日であった.術後早期のGrade 1以上の外科的合併症またはGrade 2以上の非外科的合併症を生じた症例で術後在院日数が延長していた.まとめ:胃癌手術の合併症について,CTCAEを用いて詳細な評価が可能であった.Grade 1以上の外科的合併症またはGrade 2以上の非外科的合併症を手術合併症として評価するのが妥当と考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.42.10