街娼の淋菌感染診断についてのLC培地の評価

街娼として補導された婦人の淋疾検査の機会を利用し,著者の一人常松が塩沢とともに1967年発表したlincomycin 2μg/mlとcolistin 20単位/mlよりなる選択剤を加えたLC培地の実用性を,1966年にThayer and Martinが発表したvancomycin 3μg/mlとcolistimethate 7.5μg/mlとnystatin 12.5単位/mlよりなる選択剤を加えたVCN培地との比較の上に検討した。その結果97名の街娼より15名(15.5%)が子宮頸管に淋菌を保有し,そのうち3名は直腸下部にも淋菌が存在することが証明され,また両培地における淋菌とその他の細菌...

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Published in日本細菌学雑誌 Vol. 32; no. 2; pp. 363 - 368
Main Authors 常松, 之典, 水間, 圭祐, 亀井, 喜世子, 片庭, 義雄, 小野田, 洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本細菌学会 01.03.1977
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ISSN0021-4930
1882-4110
DOI10.3412/jsb.32.363

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Summary:街娼として補導された婦人の淋疾検査の機会を利用し,著者の一人常松が塩沢とともに1967年発表したlincomycin 2μg/mlとcolistin 20単位/mlよりなる選択剤を加えたLC培地の実用性を,1966年にThayer and Martinが発表したvancomycin 3μg/mlとcolistimethate 7.5μg/mlとnystatin 12.5単位/mlよりなる選択剤を加えたVCN培地との比較の上に検討した。その結果97名の街娼より15名(15.5%)が子宮頸管に淋菌を保有し,そのうち3名は直腸下部にも淋菌が存在することが証明され,また両培地における淋菌とその他の細菌の集落の発現状況および分離淋菌の抑制剤に対する感受性試験の結果よりみて,上記のLC培地は,VCN培地と匹敵する実用性を有することが認められた。
ISSN:0021-4930
1882-4110
DOI:10.3412/jsb.32.363