嗅覚誘発電位の測定

ヒトの脳波における種々のニオイの影響を研究するために, ヒトの頭皮上の前頭部と頭頂部から, 単極誘導法によって嗅覚誘発電位を記録した. 3つの嗅覚刺激方法を比較検討し, 圧力一定方式の嗅覚刺激装置を試作した. ニオイ物質として, アミールアセテート, 酢酸, カンファを用い, それらの濃度は0.1%と10%とした. 被験者のニオイ認知信号によって誘発電位を加算し, 測定のS/N比と再現性を向上させた. ニオイ物質に対する誘発電位の波形は共通してコントロールの波形より振幅が大きく, 前頭部では530~620ミリ秒, 頭頂部では520~660ミリ秒に主ピークが存在した. また酢酸では380ミリ秒に...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in人間工学 Vol. 15; no. 5; pp. 251 - 258
Main Authors 外池, 光雄, 山中, 俊夫, 側垣, 博明, 西本, 昭男, 武林, 正峯, 栗岡, 豊
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本人間工学会 01.10.1979
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:ヒトの脳波における種々のニオイの影響を研究するために, ヒトの頭皮上の前頭部と頭頂部から, 単極誘導法によって嗅覚誘発電位を記録した. 3つの嗅覚刺激方法を比較検討し, 圧力一定方式の嗅覚刺激装置を試作した. ニオイ物質として, アミールアセテート, 酢酸, カンファを用い, それらの濃度は0.1%と10%とした. 被験者のニオイ認知信号によって誘発電位を加算し, 測定のS/N比と再現性を向上させた. ニオイ物質に対する誘発電位の波形は共通してコントロールの波形より振幅が大きく, 前頭部では530~620ミリ秒, 頭頂部では520~660ミリ秒に主ピークが存在した. また酢酸では380ミリ秒にサブピークが見られた.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.15.251