Myeloperoxydase-antineutrophil cytoplasmic antibody (P-ANCA)陽性で臨床的に顕微鏡的多発血管炎の像を呈しながら組織学的に結節性多発動脈炎と診断された1剖検例
症例は67歳,男性. 1999年3月から発熱,失見当識が出現,さらに腎機能障害が進行したため5月当科に入院した. P-ANCA陽性で急速な腎機能の悪化がみられたことから,顕微鏡的多発血管炎(MPA)を疑いステロイドセミパルス,エンドキサンパルス療法および血液透析を施行したが腎機能,意識障害は改善せず,心室細動から呼吸停止に至り永眠した.臨床的にはMPAを疑ったが,剖検で病理組織学的に古典的な結節性多発動脈炎(PN)と診断された.本症例はP-ANCA陽性で急速進行型の腎障害と肺出血をきたす症例の診断上, MPAとともにPNの鑑別が必要である事を示唆する症例と思われた....
Saved in:
Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 89; no. 12; pp. 2531 - 2533 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.12.2000
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.89.2531 |
Cover
Loading…
Summary: | 症例は67歳,男性. 1999年3月から発熱,失見当識が出現,さらに腎機能障害が進行したため5月当科に入院した. P-ANCA陽性で急速な腎機能の悪化がみられたことから,顕微鏡的多発血管炎(MPA)を疑いステロイドセミパルス,エンドキサンパルス療法および血液透析を施行したが腎機能,意識障害は改善せず,心室細動から呼吸停止に至り永眠した.臨床的にはMPAを疑ったが,剖検で病理組織学的に古典的な結節性多発動脈炎(PN)と診断された.本症例はP-ANCA陽性で急速進行型の腎障害と肺出血をきたす症例の診断上, MPAとともにPNの鑑別が必要である事を示唆する症例と思われた. |
---|---|
ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.89.2531 |