中学生の食生活体験が家庭生活満足度に及ぼす影響と食事観 日韓比較

日韓の中学生を対象に行われたアンケート調査をもとに, 中学生の「家庭生活満足度」が, 幼少期からの好ましい食生活体験と関わっているという仮説のもとに, パスダイアグラムを構築し, 日韓の比較を行った. 韓国における調査結果から, 特に, 我が国の問題点として明らかになったことは, 日本の生徒の場合, 親を怖いと思う気持ちが, 食事にまつわる厭な思い出と結びついていたことであった. 韓国の生徒は親の指導や注意が, 親の愛情として受け止められていたのに対して, 我が国の生徒は親の愛情としては充分に受け止められていなかったことを考え併せると, 我が国の場合, 日常生活において親子のコミュニケーション...

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Published in日本食生活学会誌 Vol. 11; no. 3; pp. 251 - 258
Main Authors 大谷, 貴美子, 浅野, 麻理子, 山田, 優子, 中北, 理映, 南出, 隆久, 李, 温九, 金, 明仙, 韓, 在淑, 康, 薔薇, 畠中, 宗一, 本村, 汎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食生活学会 31.12.2000
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Summary:日韓の中学生を対象に行われたアンケート調査をもとに, 中学生の「家庭生活満足度」が, 幼少期からの好ましい食生活体験と関わっているという仮説のもとに, パスダイアグラムを構築し, 日韓の比較を行った. 韓国における調査結果から, 特に, 我が国の問題点として明らかになったことは, 日本の生徒の場合, 親を怖いと思う気持ちが, 食事にまつわる厭な思い出と結びついていたことであった. 韓国の生徒は親の指導や注意が, 親の愛情として受け止められていたのに対して, 我が国の生徒は親の愛情としては充分に受け止められていなかったことを考え併せると, 我が国の場合, 日常生活において親子のコミュニケーションが欠落していることが示唆され, さらに数少ない家族のコミュニケーションの機会である食事時間ですら家族の絆を深める場として充分に機能していないことが明らかにされた.
ISSN:1346-9770
1881-2368
DOI:10.2740/jisdh.11.251