炭酸ガス含有無機塩浴の効果 体温、体循環と食物吸収
無機塩類と炭酸ガスから構成される入浴剤浴の末梢循環と消化吸収への影響を健常人を対象に検討した。前腕部分浴においては、入浴剤浴が淡水浴と比較して、入浴中、入浴後に皮膚血流が増加した。その血流増加は、濃度依存傾向であった。また、入浴剤での循環動態を検討した結果、淡水浴と比較して、皮膚深部温、皮膚表面温、皮膚血流について、浴後、有意に高値であり、循環改善が認められた。 さらに本入浴剤の食物吸収に及ぼす影響について、健常人に対する有効性を検討した。その結果、入浴剤浴群で、淡水浴群と比較して、食物摂取後入浴時の血糖値およびインスリンの上昇の抑制傾向が示唆された。総蛋白、総コレステロール、中性脂肪、HDL...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 69; no. 3; pp. 167 - 178 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
01.05.2006
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ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki1962.69.167 |
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Summary: | 無機塩類と炭酸ガスから構成される入浴剤浴の末梢循環と消化吸収への影響を健常人を対象に検討した。前腕部分浴においては、入浴剤浴が淡水浴と比較して、入浴中、入浴後に皮膚血流が増加した。その血流増加は、濃度依存傾向であった。また、入浴剤での循環動態を検討した結果、淡水浴と比較して、皮膚深部温、皮膚表面温、皮膚血流について、浴後、有意に高値であり、循環改善が認められた。 さらに本入浴剤の食物吸収に及ぼす影響について、健常人に対する有効性を検討した。その結果、入浴剤浴群で、淡水浴群と比較して、食物摂取後入浴時の血糖値およびインスリンの上昇の抑制傾向が示唆された。総蛋白、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロールおよび尿酸に関しては、各群間での差はみられなかった。 これらの結果から、本入浴剤浴が、循環改善など健康増進につながるものと考えられた。 |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.69.167 |