間質性肺炎,間質性腎炎を呈した潜在型1次性Sjögren症候群の1男性例:診断に耳下腺MRIが有用であった症例
肺門部リンパ節腫脹,間質性肺炎,間質性腎炎を合併したSjögren症候群の男性症例を経験した.症例は60歳男性で, 57歳時人間ドックで高γグロブリン血症を指摘された.主訴は全身倦怠感と発熱で当科に入院した.胸部X線とCT検査で肺門部リンパ節腫脹と間質性肺炎の所見が得られた.入院9カ月前より両眼ぶどう膜炎あり,サルコイドーシスが疑われたが, ACE, リンパ節生検と肺生検から否定された.高γグロブリン血症と抗核抗体陽性からSjögren症候群が疑われたが,眼・口腔乾燥症状はなかった. Schirmerテストとrose bengalテスト陽性から乾燥性角結膜炎があり,小唾液腺生検では単核球の著し...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 18; no. 1; pp. 123 - 132 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
28.02.1995
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.18.123 |
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Summary: | 肺門部リンパ節腫脹,間質性肺炎,間質性腎炎を合併したSjögren症候群の男性症例を経験した.症例は60歳男性で, 57歳時人間ドックで高γグロブリン血症を指摘された.主訴は全身倦怠感と発熱で当科に入院した.胸部X線とCT検査で肺門部リンパ節腫脹と間質性肺炎の所見が得られた.入院9カ月前より両眼ぶどう膜炎あり,サルコイドーシスが疑われたが, ACE, リンパ節生検と肺生検から否定された.高γグロブリン血症と抗核抗体陽性からSjögren症候群が疑われたが,眼・口腔乾燥症状はなかった. Schirmerテストとrose bengalテスト陽性から乾燥性角結膜炎があり,小唾液腺生検では単核球の著しい浸潤が認められた. 耳下腺MRI所見では, T1およびT2強調画像で多数の点状の高信号域のため不均一となっており,耳下腺組織の破壊が高度で脂肪変性をきたしていると診断した. 腎生検所見では間質・尿細管の病変が著明でいわゆるtubulo-interstitial nephritisを示した. 本症例は男性で潜在型Sjögren症候群であり,耳下腺MRI所見が本症の診断に有用であった.本検査は侵襲が少なく, Sjögren症候群の診断法の1つとして繁用されることが期待される. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.18.123 |