痩せ薬・健康食品による薬物性肝障害2次全国調査集計結果 (日本肝臓学会主催)

2002年7月の中国製ダイエット用健康食品 (以下, 中国製痩せ薬) による劇症肝炎の報道1)を契機に, 痩せ薬・健康食品による薬物性肝障害の実態把握を目的に全国調査を行った. 調査適合症例は31例, 男女比は2対29であった. 肝障害の原因と思われた薬物の67.7% (21例) と大半が中国製痩せ薬であった. 重症例は8例で, 中国製痩せ薬が原因と考えられたものが5例あり, そのうち死亡1例, 生存4例で, 生存例中3例に生体肝移植が施行された. 重症例のうち, 原因と思われた薬物は, 中国製痩せ薬以外のものでは,「アガリクスまたはレイシ」,「漢方薬 (品名不明)」,「日本製痩せ薬 (オオバ...

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Published in肝臓 Vol. 45; no. 2; pp. 96 - 108
Main Authors 沖田, 極, 久持, 顕子, 中沼, 安二, 佐田, 通夫, 鹿毛, 政義, 各務, 伸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.02.2004
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.45.96

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Summary:2002年7月の中国製ダイエット用健康食品 (以下, 中国製痩せ薬) による劇症肝炎の報道1)を契機に, 痩せ薬・健康食品による薬物性肝障害の実態把握を目的に全国調査を行った. 調査適合症例は31例, 男女比は2対29であった. 肝障害の原因と思われた薬物の67.7% (21例) と大半が中国製痩せ薬であった. 重症例は8例で, 中国製痩せ薬が原因と考えられたものが5例あり, そのうち死亡1例, 生存4例で, 生存例中3例に生体肝移植が施行された. 重症例のうち, 原因と思われた薬物は, 中国製痩せ薬以外のものでは,「アガリクスまたはレイシ」,「漢方薬 (品名不明)」,「日本製痩せ薬 (オオバコダイエットまたはダイエットドリンク)」であった. 肝障害の発症機序について, 血液生化学的, ならびに組織学的所見から, 個体の免疫学的機序の関与が示唆された.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.45.96