大動脈内バルーンパンピングの心補助効果に関する心力学的研究(埋め込み型超音波変位センサーによる検討)

6頭の雑種成犬の左冠動脈前下行枝を結紮して急性虚血心を作成、IABPを挿入、駆動した。左室仕事量(BMW;mW/100gLVW)と虚血部の左室局所心筋仕事量(RMWi;mW/cm3)及び非虚血部の局所仕事量(RMWn;mW/cm3)を測定するために、左室内腔面と心内膜直下に計7対の超小型超音波変位センサを埋め込んだ。得られた結果を以前行なった補助心臓(LVAD)による同様の実験結果と比較した。 BMWはLvADを駆動すると44~63%減少するのに対して、IABPでは約7%低下したのみであった。RMWiはIABPを駆動すると35~52%減少した。逆にRMWnはIABP駆動により10~23%増加し...

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Published in人工臓器 Vol. 20; no. 3; pp. 909 - 914
Main Authors 中村, 孝夫, 田辺, 達三, 朝田, 政克, 松不, 健郎, 増田, 春彦, 林紘, 三郎, 酒井, 圭輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.06.1991
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.20.909

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Summary:6頭の雑種成犬の左冠動脈前下行枝を結紮して急性虚血心を作成、IABPを挿入、駆動した。左室仕事量(BMW;mW/100gLVW)と虚血部の左室局所心筋仕事量(RMWi;mW/cm3)及び非虚血部の局所仕事量(RMWn;mW/cm3)を測定するために、左室内腔面と心内膜直下に計7対の超小型超音波変位センサを埋め込んだ。得られた結果を以前行なった補助心臓(LVAD)による同様の実験結果と比較した。 BMWはLvADを駆動すると44~63%減少するのに対して、IABPでは約7%低下したのみであった。RMWiはIABPを駆動すると35~52%減少した。逆にRMWnはIABP駆動により10~23%増加した。LVADではRMWi、RMWnのいずれも55~150%と大きく減少した。これらから、IABPは、仕事の代償能力のある部分の仕事量を増加させることにより、補助効果を得るものと考えられる。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.20.909