へパリン起因性血小板減少症を合併した僧帽弁位人工弁周囲逆流に対する再手術の1例
へパリン起因性血小板減少症(HIT)を合併した症例に対する心臓手術のさいには,抗凝固管理が重要となる.今回我々はアルガトロバンとメシル酸ナファモスタットを併用した人工心肺下再手術を経験した.今回,アルガトロバンは0.25 mg/kgのbolus投与と5~10 μg/kg/minの持続投与,またメシル酸ナファモスタットは100 mg/hで使用した.人工心肺中や周術期に血栓症などの合併症は認めなかった.アルガトロバンとさらに半減期の短いメシル酸ナファモスタットを使用したにもかかわらず,抗凝固作用が遷延し多量の輸血を要することとなったが術後経過は良好であった....
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 40; no. 3; pp. 112 - 114 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.05.2011
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.40.112 |
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Summary: | へパリン起因性血小板減少症(HIT)を合併した症例に対する心臓手術のさいには,抗凝固管理が重要となる.今回我々はアルガトロバンとメシル酸ナファモスタットを併用した人工心肺下再手術を経験した.今回,アルガトロバンは0.25 mg/kgのbolus投与と5~10 μg/kg/minの持続投与,またメシル酸ナファモスタットは100 mg/hで使用した.人工心肺中や周術期に血栓症などの合併症は認めなかった.アルガトロバンとさらに半減期の短いメシル酸ナファモスタットを使用したにもかかわらず,抗凝固作用が遷延し多量の輸血を要することとなったが術後経過は良好であった. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.40.112 |