当科における深頸部膿瘍73例の集計

深頸部膿瘍 (以下頸部膿瘍) は, 耳鼻咽喉科救急疾患の中でも特に重篤な病態を呈し, 経過によっては死に至る危険性のある疾患である.今回我々は, 過去10年間に当科で入院治療を行った頸部膿瘍患者73例について集計を行ったので, ここに報告する. 頸部膿瘍切開排膿術を施行した例が48例 (65.8%), 顎下腺摘出術を施行した例が6例 (8.2%), 口腔底から切開排膿した例が15例 (21.0%) であった.保存的加療のみの例が4例 (5.5%) であった. 73例中72例が軽快退院となっており, 再発例は1例もなかった.縦隔膿瘍合併例は5例みられ, そのうち1例は死亡した....

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 15; no. 2; pp. 209 - 214
Main Authors 松田, 明史, 田中, 英和, 鎌田, 啓太, 長谷川, 誠, 甲能, 直幸, 金谷, 毅夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 28.02.2003
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology1989.15.209

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Summary:深頸部膿瘍 (以下頸部膿瘍) は, 耳鼻咽喉科救急疾患の中でも特に重篤な病態を呈し, 経過によっては死に至る危険性のある疾患である.今回我々は, 過去10年間に当科で入院治療を行った頸部膿瘍患者73例について集計を行ったので, ここに報告する. 頸部膿瘍切開排膿術を施行した例が48例 (65.8%), 顎下腺摘出術を施行した例が6例 (8.2%), 口腔底から切開排膿した例が15例 (21.0%) であった.保存的加療のみの例が4例 (5.5%) であった. 73例中72例が軽快退院となっており, 再発例は1例もなかった.縦隔膿瘍合併例は5例みられ, そのうち1例は死亡した.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology1989.15.209