在宅療養に移行した脳卒中後遺症をもつ患者の主観的満足感と活動の関連

要旨 在宅療養に移行した脳卒中後遺症をもつ障害者を対象に,機能訓練やデイケアの場における「活動」(社会的相互作用)と,参加者の生活全体における主観的満足感との関連を検証し,主観的満足感に関連する要因について明らかにした.対象は,44歳から94歳までの脳血管障害者87名(男55名,女性32名)で,平均年齢は,男67.6歳(SD=8.3),女67.5歳(SD=12.7)であった.主観的満足感の測定用具は,PGCモラールスケールを使用した.結果として,1)活動と主観的満足感との間には,0.26(p<.01)の正の弱い相関が認められた.44~65歳の若い年齢群に対し,66~94歳の高齢群では,0.34...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 16; no. 3; pp. 40 - 48
Main Authors 河原 加代子, 飯田 澄美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 28.11.1996
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ISSN0287-5330
2185-8888

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Summary:要旨 在宅療養に移行した脳卒中後遺症をもつ障害者を対象に,機能訓練やデイケアの場における「活動」(社会的相互作用)と,参加者の生活全体における主観的満足感との関連を検証し,主観的満足感に関連する要因について明らかにした.対象は,44歳から94歳までの脳血管障害者87名(男55名,女性32名)で,平均年齢は,男67.6歳(SD=8.3),女67.5歳(SD=12.7)であった.主観的満足感の測定用具は,PGCモラールスケールを使用した.結果として,1)活動と主観的満足感との間には,0.26(p<.01)の正の弱い相関が認められた.44~65歳の若い年齢群に対し,66~94歳の高齢群では,0.34(p<.05)の高い値を示した.2)年齢と主観的満足感との間には,66~94歳の群にのみ,0.40(p<.01)の比較的強い相関が認められた.3)公的社会資源の利用の有無と主観的満足感との間には,44~65歳の群に,0.20(p<.05)のごく弱い相関が確認された.4)ADLと主観的満足感との間には,相関は認められなかった.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888