高齢者の排便ケアに関する医行為が訪問看護師の判断で行えると考えた理由

抄録 本研究は訪問看護場面において,訪問看護師が実施した高齢者の排便ケアに関する医行為について,その医行為が看護師の判断で行えると考えた理由について明らかにすることを目的とし,訪問看護師28人が実施した高齢者の排便ケアに関する医行為が,看護師の判断で行えると考えた理由に関する自由記述回答を分析した.訪問看護師が実施した排便ケアに関する医行為の内容は,「グリセリン浣腸」14人,「緩下剤の量の調整の判断・実施」13人,「緩下剤の使用の判断・実施」2人であった.訪問看護師が実施した高齢者の排便ケアに関する医行為が,看護師の判断で行えると考えた理由は,【対象者の包括的把握と迅速な対応により苦痛の軽減と...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 16; no. 2; pp. 65 - 71
Main Authors 齋藤 美華, 大槻 久美, 川原 礼子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 31.03.2012
一般社団法人 日本老年看護学会
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Summary:抄録 本研究は訪問看護場面において,訪問看護師が実施した高齢者の排便ケアに関する医行為について,その医行為が看護師の判断で行えると考えた理由について明らかにすることを目的とし,訪問看護師28人が実施した高齢者の排便ケアに関する医行為が,看護師の判断で行えると考えた理由に関する自由記述回答を分析した.訪問看護師が実施した排便ケアに関する医行為の内容は,「グリセリン浣腸」14人,「緩下剤の量の調整の判断・実施」13人,「緩下剤の使用の判断・実施」2人であった.訪問看護師が実施した高齢者の排便ケアに関する医行為が,看護師の判断で行えると考えた理由は,【対象者の包括的把握と迅速な対応により苦痛の軽減とリスクの回避ができる】【迅速に対応できる条件がそろっている】のカテゴリーが見いだされた.訪問看護師は,高齢者と介護者の苦痛や負担の軽減と在宅療養の継続を考慮し,主体的に自らの判断で医行為を実施していたことが示唆された.
Bibliography:資料
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.16.2_65