地域の健康な高齢者の健康度自己評価と病気・障害の有無に関連する因子の検討

本研究では健康度自己評価に関連する因子を明らかにするため,A県に居住する健康な高齢者897名を対象に質問紙調査を行った(男性214名,女性683名,有効回答率83.7%).多重ロジスティック回帰分析の結果,健康度自己評価と病気・障害の有無のそれぞれに関連する因子として以下の結果を得た. 1.健康度自己評価が高いことに関連する因子として,病気や障害がない,日常動作に困難を感じない,痛みによる生活への影響がない,自分は若いと感じている,生活に満足している,付き合いがある,趣味がある,熟眠感がある,毎日運動を行っていることがあげられた. 2.病気や障害がないことに関連する因子として,70〜74歳ある...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 11; no. 1; pp. 79 - 85
Main Authors 秋月 仁美, 坂本 奈穂, 西 あずさ, 榊 友希, 出戸 亜沙子, 永田 真由美, 吉田 有希, 笹川 寿之, 平松 知子, 正源寺 美穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.2006
一般社団法人 日本老年看護学会
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Summary:本研究では健康度自己評価に関連する因子を明らかにするため,A県に居住する健康な高齢者897名を対象に質問紙調査を行った(男性214名,女性683名,有効回答率83.7%).多重ロジスティック回帰分析の結果,健康度自己評価と病気・障害の有無のそれぞれに関連する因子として以下の結果を得た. 1.健康度自己評価が高いことに関連する因子として,病気や障害がない,日常動作に困難を感じない,痛みによる生活への影響がない,自分は若いと感じている,生活に満足している,付き合いがある,趣味がある,熟眠感がある,毎日運動を行っていることがあげられた. 2.病気や障害がないことに関連する因子として,70〜74歳あるいは85歳以上,女性,服薬をしていない,日常動作に困難を感じない,心配や不安がない,食欲があることがあげられた. これらの結果から地域の健康な高齢者の健康を維持するためには,身体的健康だけではなく,心理的,社会的,そして日常生活に伴って感じられる自分自身に対する満足感や,自分自身の意志によって行われる保健行動も重要である可能性が示唆された.
Bibliography:資料
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.11.1_79