施設入所高齢者の車椅子座位姿勢における下肢周径の経時的変化

日中車椅子を使用している施設入所高齢者の下肢浮腫の状態を明らかにすることを目的に,施設入所高齢者の下肢周径を経時的に測定した.対象者は,介護老人保健施設に入所中の女性認知症高齢者14人であり,車椅子座位の姿勢で左右の最大下腿周径(腓腹部),足首周径,足背周径の計6か所についてメジャーを用いて, 7:30ごろ, 9:30ごろ, 14:30ごろ, 16:30ごろの計4回, 1日間測定した.その結果,すべての測定部位で時間経過に伴い有意な増加がみられ,もっとも増加した者は,最大下腿周径で2,5cm (変化率11%)であった.また,左の最大下腿周径,右の足首周径,左右の足背周径では,午前(7:30ごろ...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 17; no. 1; pp. 91 - 97
Main Authors 北村 有香, 白井 みどり, 佐々木 八千代, 臼井 キミカ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 30.11.2012
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
Subjects
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.17.1_91

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Summary:日中車椅子を使用している施設入所高齢者の下肢浮腫の状態を明らかにすることを目的に,施設入所高齢者の下肢周径を経時的に測定した.対象者は,介護老人保健施設に入所中の女性認知症高齢者14人であり,車椅子座位の姿勢で左右の最大下腿周径(腓腹部),足首周径,足背周径の計6か所についてメジャーを用いて, 7:30ごろ, 9:30ごろ, 14:30ごろ, 16:30ごろの計4回, 1日間測定した.その結果,すべての測定部位で時間経過に伴い有意な増加がみられ,もっとも増加した者は,最大下腿周径で2,5cm (変化率11%)であった.また,左の最大下腿周径,右の足首周径,左右の足背周径では,午前(7:30ごろ〜9:30ごろ)の変化率のほうが午後(14:30ごろ〜16:30ごろ)の変化率よりも有意に大きかった,長時間座位は,下肢浮腫を増強させると考えられ,臥床休養を取り入れるなど座位時間の検討や車椅子を椅子に変更するなどの下肢浮腫を軽減するケアが必要であることが示唆された.
Bibliography:資料
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.17.1_91