中国東北部A市における在宅高齢脳卒中患者の閉じこもりの実態とその関連要因

中国の在宅高齢脳卒中患者の閉じこもりの実態とその関連要因を明らかにするために,中国東北部A市の都市部における在宅高齢脳卒中患者218名を対象者として,訪問調査を行ったその結果,1.中国A市において在宅高齢脳卒中患者の閉じこもりの割合は,調査対象者の全体の28.4% (62名)であることが明らかとなった.2.閉じこもりの関連要因としては,単変量解析では,「年齢が高く,後遺症があり,外出に不自由感がある,ADLやIADLが低く,運動をせず,介護を必要とし,親しい友人がいない,近隣住民との交流がない,健康自己評価で健康でない,孤独感がある」(p< 0.01),脳卒中発症2回以上(p< 0...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 13; no. 1; pp. 32 - 39
Main Authors 邢 鳳梅, 佐藤 和佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.2008
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.13.1_32

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Summary:中国の在宅高齢脳卒中患者の閉じこもりの実態とその関連要因を明らかにするために,中国東北部A市の都市部における在宅高齢脳卒中患者218名を対象者として,訪問調査を行ったその結果,1.中国A市において在宅高齢脳卒中患者の閉じこもりの割合は,調査対象者の全体の28.4% (62名)であることが明らかとなった.2.閉じこもりの関連要因としては,単変量解析では,「年齢が高く,後遺症があり,外出に不自由感がある,ADLやIADLが低く,運動をせず,介護を必要とし,親しい友人がいない,近隣住民との交流がない,健康自己評価で健康でない,孤独感がある」(p< 0.01),脳卒中発症2回以上(p< 0.05)と回答した対象者の閉じこもりの割合が有意に高かった.多重ロジスティック回帰分析結果では,閉じこもりの関連要因として,孤独感を常に感じている(OR=5.0,CI=2.3〜10.9),後遺症でしびれがある(OR=3.86,CI=1.0〜14.5),健康自己評価において健康でないと感じている(OR=3.68,CI=1.7〜7.9),運動しない(OR=2.94,CI=1.8〜4.7),ADLにおいてFIM得点が低い(OR=2.06,CI=1.3〜3.3)といった項目が正の因子として抽出された.以上により,この状況を改善するため看護支援を実施していく必要性も示唆された.
Bibliography:研究ノート
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.13.1_32