都市部と農村部における高齢者の地域ケアシステムに関するニーズとその傾向

都市部と農村部における高齢者の地域ケアに関するシステム(以下,地域ケアシステム)についての要望の実態と,両地域の違いを明らかにし,地域特性を生かした体制づくりの方向性を検討することを目的として,宮城県都市部A区と農村部B町に在住する高齢者を対象に調査した. その結果,地域ケアシステムへの要望は両地域とも「システムの充実・増加」の割合が高かった.次いで高かったのは,A区は「経済的援助」で,B町は「迷惑をかけたくない」であった.A区,B町の地域ケアシステムに要望がある高齢者は,高齢者世帯の割合が高く,加えてA区は,同居人数が少なく,年齢は比較的若い傾向があった.両地域の地域ケアシステムへの要望があ...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 6; no. 1; pp. 50 - 57
Main Authors 高橋 和子, 太田 喜久子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.2001
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.6.1_50

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Summary:都市部と農村部における高齢者の地域ケアに関するシステム(以下,地域ケアシステム)についての要望の実態と,両地域の違いを明らかにし,地域特性を生かした体制づくりの方向性を検討することを目的として,宮城県都市部A区と農村部B町に在住する高齢者を対象に調査した. その結果,地域ケアシステムへの要望は両地域とも「システムの充実・増加」の割合が高かった.次いで高かったのは,A区は「経済的援助」で,B町は「迷惑をかけたくない」であった.A区,B町の地域ケアシステムに要望がある高齢者は,高齢者世帯の割合が高く,加えてA区は,同居人数が少なく,年齢は比較的若い傾向があった.両地域の地域ケアシステムへの要望がある高齢者の比較では,B町のほうが,ここ1年においても仕事をしている割合が高かった. 以上のことから,都市部は社会活動などを通した住民同士の協力体制の強化を,農村部では気兼ねなく利用できる公的サービスの充足・充実を図っていくことの必要性が示唆された.
Bibliography:原著
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.6.1_50