老年看護学の対象理解にライフヒストリー・インタビューをとり入れた学習効果

本研究の目的は老年看護学の対象である高齢者個人を理解させることを意図したライフヒストリー・インタビュー(LHI)の学習効果を明らかにすることである・学生に祖父母など身近な高齢者のLHIを課し,LHIを通して学んだ高齢者理解の内容を分析して評価した.学生は高齢者を以前に想像していたよりも活動的で肯定的にとらえていた.LHIによる学習内容は高齢者の現在の生活状態と誕生から現在に至る生活史に分かれ,長い生活を背景にもつ高齢者の特質がとらえられていた.高齢者の感想を分析した結果からも生活史を語ることで回想がもつプラスの効果がもたらされていることがうかがえた.LHIは固定観念的にとらえられがちな高齢者像...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 5; no. 1; pp. 140 - 146
Main Authors 小泉 美佐子, 伊藤 まゆみ, 宮本 美佐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.2000
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
Subjects
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.5.1_140

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Summary:本研究の目的は老年看護学の対象である高齢者個人を理解させることを意図したライフヒストリー・インタビュー(LHI)の学習効果を明らかにすることである・学生に祖父母など身近な高齢者のLHIを課し,LHIを通して学んだ高齢者理解の内容を分析して評価した.学生は高齢者を以前に想像していたよりも活動的で肯定的にとらえていた.LHIによる学習内容は高齢者の現在の生活状態と誕生から現在に至る生活史に分かれ,長い生活を背景にもつ高齢者の特質がとらえられていた.高齢者の感想を分析した結果からも生活史を語ることで回想がもつプラスの効果がもたらされていることがうかがえた.LHIは固定観念的にとらえられがちな高齢者像を見直す機会となり,対象理解に有効な学習方法であることが示唆された.
Bibliography:資料
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.5.1_140