介護老人保健施設における死の看取りを含むターミナルケアへの組織的取り組み—2施設の看護管理者の面接調査より

本研究の目的は,介護老人保健施設において死の看取りを含むターミナルケアの組織的取り組みを可能にした要因を明らかにすることである.G県下で積極的・組織的にターミナルケアを実践していることが把握できた2介護老人保健施設の看護管理者各1名への面接内容をデータとし分析した.その結果,2施設に共通した要因は「医療機関との有機的連携がとれている」「介護・看護のトップマネジメントの役割をもつ看護管理者が『高齢者ケアにおいては当然死の看取りを含むターミナルケアが必要』という考えをもっている」「開所時より施設方針として『本人・家族の求めに応じて最期まで看取る』があった」「組織的取り組みを強化する事例に遭遇したこ...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 8; no. 1; pp. 86 - 94
Main Authors 原 敦子, 小野 幸子, 坂田 直美, 梅津 美香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 01.11.2003
一般社団法人 日本老年看護学会
Japan Academy of Gerontological Nursing
Subjects
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.8.1_86

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Summary:本研究の目的は,介護老人保健施設において死の看取りを含むターミナルケアの組織的取り組みを可能にした要因を明らかにすることである.G県下で積極的・組織的にターミナルケアを実践していることが把握できた2介護老人保健施設の看護管理者各1名への面接内容をデータとし分析した.その結果,2施設に共通した要因は「医療機関との有機的連携がとれている」「介護・看護のトップマネジメントの役割をもつ看護管理者が『高齢者ケアにおいては当然死の看取りを含むターミナルケアが必要』という考えをもっている」「開所時より施設方針として『本人・家族の求めに応じて最期まで看取る』があった」「組織的取り組みを強化する事例に遭遇したことを契機に,死の看取りを含むターミナルケアに関する施設のケア方針・方法を明確にし,職員への徹底化を図っている」などであった.2施設の利用者の求めに応じて柔軟に対応しようとしている姿勢は,機能目的で分類されている高齢者ケア施設におけるターミナルケアのあり方の再考の必要性を示唆するものであった.
Bibliography:資料
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.8.1_86