地域で生活する精神障がい者が自分にとって調子のいい状態を獲得するプロセス

要旨目的:地域で生活する精神障がい者が自分にとって調子のいい状態を獲得するプロセスを明らかにする.方法:地域活動支援センターに通所する精神障がい者12名に半構成的インタビューを行った.分析は修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いた.結果:地域で生活する精神障がい者は,「喪失と辛苦」から出発し,『試行錯誤』と『取捨選択』を繰り返す経験を自らの糧として『自分のよりどころ』とし,『自分での手当て』を行い『平坦な暮らし』をすることで自分にとって調子のいい状態を維持していた.このプロセスは,病気をコントロールし生活を主体的に送る力を取り戻す【主導権の再獲得】であった.結論:本プロセスを促進するため...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 36; no. 1; pp. 114 - 120
Main Authors 藤森 由子, 國方 弘子, 藤代 知美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2016
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.36.114

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Summary:要旨目的:地域で生活する精神障がい者が自分にとって調子のいい状態を獲得するプロセスを明らかにする.方法:地域活動支援センターに通所する精神障がい者12名に半構成的インタビューを行った.分析は修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いた.結果:地域で生活する精神障がい者は,「喪失と辛苦」から出発し,『試行錯誤』と『取捨選択』を繰り返す経験を自らの糧として『自分のよりどころ』とし,『自分での手当て』を行い『平坦な暮らし』をすることで自分にとって調子のいい状態を維持していた.このプロセスは,病気をコントロールし生活を主体的に送る力を取り戻す【主導権の再獲得】であった.結論:本プロセスを促進するために精神疾患に伴う認知機能障害を考慮した支援の必要性が示唆された.また,支援者によるつなぐという支援技術の詳細を明らかにする必要がある.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.36.114