高齢軽症脳梗塞患者の再発に関するリスク認知

要旨 目的:高齢軽症脳梗塞患者の体験に基づいた再発に関するリスク認知を記述する. 方法:65〜88歳の軽症脳梗塞患者18名を対象に半構造化面接を行い,脳梗塞の再発リスクや疾患,健康管理に関する捉えについて質的記述的に分析した. 結果:高齢軽症脳梗塞患者の再発に関するリスク認知には,【再発への漠然とした気がかりがある】【再発に対して何に気を付ければよいかわからない】【脳梗塞になることを気にしても仕方がない】と深刻な再発の危機感を持っていないことが語られた.また,【自分の脳梗塞は軽くて回復している】【発症前から健康管理ができていた】という自身の疾患や健康管理の評価から再発を漠然と捉えていることが明...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 40; no. 1; pp. 14 - 22
Main Authors 鳥谷 めぐみ, 長谷川 真澄, 粟生田 友子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2020
公益社団法人 日本看護科学学会
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Summary:要旨 目的:高齢軽症脳梗塞患者の体験に基づいた再発に関するリスク認知を記述する. 方法:65〜88歳の軽症脳梗塞患者18名を対象に半構造化面接を行い,脳梗塞の再発リスクや疾患,健康管理に関する捉えについて質的記述的に分析した. 結果:高齢軽症脳梗塞患者の再発に関するリスク認知には,【再発への漠然とした気がかりがある】【再発に対して何に気を付ければよいかわからない】【脳梗塞になることを気にしても仕方がない】と深刻な再発の危機感を持っていないことが語られた.また,【自分の脳梗塞は軽くて回復している】【発症前から健康管理ができていた】という自身の疾患や健康管理の評価から再発を漠然と捉えていることが明らかになった. 結論:高齢軽症脳梗塞患者は再発に対する重大性や脆弱性を認識していず,再発予防への動機づけが不十分である.したがって看護師は患者の主観的な再発に関するリスク認知を把握し,個人の理解に応じた支援を行う必要性が示唆された.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.40.14