抑うつ状態にある母親が子どもに感じる思いから辿る育児プロセス

要旨 目的:抑うつ状態にある母親が子どもに感じる思いから辿る育児プロセスを探索する. 方法:産後1か月健診時または新生児家庭訪問時のエジンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)が9点以上の母親6名および,育児不安が強く育児指導を受けた母親6名,計12名の母親を対象に,半構成的面接法を実施した.研究方法はGrounded Theory Approachを用いた. 結果:抑うつ状態にある母親は,日々《子どもへの対応がわからずイライラ,悶々として過ごす》状況にあり,様々な思いと育児行動のプロセスを経て《思わず手が出る》《子どもを放置・子どもに近づけない》《子どもに感謝する》の3つの帰結に至っていた. ...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 39; no. 1; pp. 174 - 182
Main Authors 片山 美穂, 北岡 和代, 中本 明世, 川村 みどり, 森岡 広美, 川口 めぐみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2019
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.39.174

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Summary:要旨 目的:抑うつ状態にある母親が子どもに感じる思いから辿る育児プロセスを探索する. 方法:産後1か月健診時または新生児家庭訪問時のエジンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)が9点以上の母親6名および,育児不安が強く育児指導を受けた母親6名,計12名の母親を対象に,半構成的面接法を実施した.研究方法はGrounded Theory Approachを用いた. 結果:抑うつ状態にある母親は,日々《子どもへの対応がわからずイライラ,悶々として過ごす》状況にあり,様々な思いと育児行動のプロセスを経て《思わず手が出る》《子どもを放置・子どもに近づけない》《子どもに感謝する》の3つの帰結に至っていた. 結論:子どもに否定的な感情を抱き負の帰結に至らないための支援として,母親を追い詰めない,孤立させないように,母親の元に直接出向いて必要な援助をすることの重要性が示唆された.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.39.174