統合失調症患者の体内水分量に影響する因子と病的多飲水患者の体内水分分布の特徴

要旨 目的:本研究は,体内水分量の観点から,体内水分量に影響を与える因子について検討し,病的多飲水の一因を探ることを目的とした. 方法:精神科病院入院中の統合失調症男性患者に,生体インピーダンス法(BIS法)を用いて体内水分量を測定し,病的多飲水患者(多飲群)35名,非多飲水患者(非多飲群)23名を比較対象とした.体内水分データと体内水分量に影響を与えると考えられる因子である,血漿浸透圧,尿比重,年齢,病歴,抗精神病薬投与量,抗コリン薬投与量,口渇感,喫煙量,多飲行動の有無,水中毒のエピソードについて検討した. 結果:統合失調症患者において血漿浸透圧が上昇している者はなく,血漿浸透圧が低下して...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 29; no. 3; pp. 68 - 75
Main Authors 佐藤 美幸, 作田 裕美, 小林 敏生, 片岡 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 16.09.2009
公益社団法人 日本看護科学学会
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Summary:要旨 目的:本研究は,体内水分量の観点から,体内水分量に影響を与える因子について検討し,病的多飲水の一因を探ることを目的とした. 方法:精神科病院入院中の統合失調症男性患者に,生体インピーダンス法(BIS法)を用いて体内水分量を測定し,病的多飲水患者(多飲群)35名,非多飲水患者(非多飲群)23名を比較対象とした.体内水分データと体内水分量に影響を与えると考えられる因子である,血漿浸透圧,尿比重,年齢,病歴,抗精神病薬投与量,抗コリン薬投与量,口渇感,喫煙量,多飲行動の有無,水中毒のエピソードについて検討した. 結果:統合失調症患者において血漿浸透圧が上昇している者はなく,血漿浸透圧が低下しているにもかかわらず,多飲行動がみられる者が存在した.また,その他の因子について,重回帰分析を行った結果,%ICF,%TBFは,水中毒のエピソードと関連があり,エピソードをもつ者は,%ICF,%TBFが高い傾向にあった.
Bibliography:研究報告
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.29.3_68